5.ハチミツとクローバー 羽海野チカ

ハチクロの中でダントツ好きな場面が酔っ払ったあゆみを真山がおぶって送ってくシーンなんだけど、ここのところなぜかその場面が浮かんでくる。

あゆみはずっと真山が好きで、でも告白したり好きな態度をおくびにも出さなかった(本人的には)。なぜなら叶わない恋だと知ってたから。恋人としてではなくても隣にいたかったから。真山はずっと亡くなった旦那を忘れないリカさんを好きでいる。叶わない相手に恋をする、二人は似た者同士なのだ。

 

なあ山田、何で俺なんか好きになっちまったんだよ。俺はお前が可愛いんだ。だから、いつかお前に「好き」って言われたらちゃんと断らなきゃって思ってた。でも、断ったらお前はどっか行っちまうんだって思って。

 

真山の言葉。心に刺さる。純粋に好意を示してくれるあゆみが可愛くて、でも好きにはなれなくて、でも離れていって一人になるのが怖くて。あゆみも真山の優しさとずるさに甘えている。

柔らかい檻にいるみたいな二人。逃げ出せるのに逃げ出さない。

 

最近夢を見た。ずっと好きだった人に告白される夢。私は「大切な人がいるから」って断った。ちゃんと断れたことに驚いた。忘れていなかったことにも。きっとその人に私はあゆみみたいに映っていたのだろう。好きと一言も言ってないし、向こうも好意に気づいてないふりをしていた。なぜなら向こうにとって私は、一番仲の良い女の子友達で、尊敬できて、恋愛対象じゃないからだ。

昔好きだった人や元恋人に別れを告げる夢を多く見ている。ようやく自己嫌悪や未練や後悔やらを断ち切ろうと自分の心が動き出したのだろう。