32.コンビニ人間 村田沙耶香

芥川賞受賞作品。久しぶりに読んだけど面白い。

 

正常であることとはなんだろう。社会は自分の理解を超えた異物をどうして排除しようとするのだろう。

 

主人公はずっと正常になりたかった。小さい頃からうまく周りと順応できず、周囲を困らせてばかりいた。きっと主人公はマニュアルがあったら行動できたのだと思う。しかし社会にはマニュアルがないのに目に見えない「当たり前」がたくさんあって、それを察して順応することが排除されないために必要になってくる。

 

最後主人公は周りと迎合することをやめ、コンビニ人間として生きていく。私は主人公が羨ましいと思った。周りになにを言われても自分の生きる道を決めることができたからだ。

私にはそのようなブレない軸がない。何がしたいのかどう生きたいのかもよくわからない。だからいつもちょっとしたことで落ち込んだり迷ったりする。

周りから好ましく思われなかろうと自分の生きる道をきちんと決められる人はかっこいいと思う。