36.夏物語 川上未映子

38歳の頃、夏子は自分の子どもに会いたいという思いを強くするが、精神的な原因により性交渉を行うことができないでいる。そんな折に精子提供サイトがあることを知り、さらに精子提供で生まれ、本当の父を探す逢沢と親しくなっていく。果たして彼女はどのよ…

35.アルジャーノンに花束を ダニエル・キイス

この本は好きで何回も読んでるけど読むたびに感想が変わる。 前読んだ時は天才になったチャーリーが孤独で自己中心的で傲慢になってて、その性格がまるで自分みたいだなって思った。 今回はチャーリーは天才ではなくなってしまったけど、人間として本当に大…

34.聖少女 倉橋由美子

交通事故で記憶を失った未紀は、ぼくに事故前に綴ったノートを手渡し解読してくれるように頼む。そのノートには未紀のパパに対する狂おしい愛が描かれていた。 このノートには謎が多い。日記にしては抽象的で具体的なことが書かれていない。パパと父は同一人…

33.朗読者 ベルンハルト・シュリンク

愛を読む人という映画を観て原作に興味を持った。 主人公ミヒャエルは15歳の時、黄疸にかかり道で嘔吐してるところを21歳上のハンナに助けられる。それをきっかけに二人は恋に落ちるがある日ハンナは彼の元から姿を消してしまう。 時が経ちミヒャエルは法学…

32.コンビニ人間 村田沙耶香

芥川賞受賞作品。久しぶりに読んだけど面白い。 正常であることとはなんだろう。社会は自分の理解を超えた異物をどうして排除しようとするのだろう。 主人公はずっと正常になりたかった。小さい頃からうまく周りと順応できず、周囲を困らせてばかりいた。き…

31.ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー ブレイディみかこ

まずタイトルと真っ黄色な表紙に惹かれた。 色の羅列。どんな話なのか興味をひかれる。 この本は作者が、息子とのやりとりを書いたエッセイである。 作者は日本人で、旦那はアイルランド人であり、英国に住んでいる。だから息子はイエロー(黄色人種)でホワイ…

30.日の名残り イシグロカズオ

主人公、執事であるスティーブンスは以前の主人であるイギリス紳士、ダーリントン卿が亡くなった後、新たな屋敷の所有者であるアメリカ人のもとに仕えている。そのアメリカ人から旅行を勧められ、かつてともに働いていた女中頭のケントンに会いに行く。 ステ…

29.ホーキング宇宙のすべてを語る

面白かった!昔読んだ時よりは理解できるようになってたけど、特に量子力学とか出てきたあたりから難しくてぼんやりとしかわからなかった。 後半の方に宇宙を含むこの世の全事象を説明できる完全な統一理論があるかという話が出てきたんだけど、それについて…

28.健康成人第I相治験死亡について

自分のための備忘録として報告書を見て気がついた点を記載します。 私からどこが間違っていたなどの判断をするつもりはありません。ただ今後も自分の中で考えていきたい問題だとは思っています。 ・2〜10日の反復投与で本被験者は最高用量を投与された。投与…

27.おじいちゃんがボケた

おじいちゃんは9年前にアルツハイマー病と診断された。もっとも家族がその病名を知ったのはおよそ一年前くらいである。医者が病名を言わずにあまりにも婉曲に症状を伝えたため、伝えられた当時にその病気と気づかなかったのである。もともとおじいちゃんは天…

26.カラマーゾフの兄弟、ドストエフスキー

上中下、トータル2000ページ近くある大長編作。すごい長かった!読むのに1ヶ月近くかかった。 面白かったけど難しかった。ただこの本が色んな作家の作品に影響してるのはよくわかった。一本のネギと蜘蛛の糸の相関とか。どんだけ否定しても誰にも聞いてもら…

25.ロリータ ウラジミール・ナボコフ

この本を読むのは2回目だった。きっかけは「テヘランでロリータを読む」という本にロリータの話が出てきたからだ。その本の作者はロリータに対して同情的な気持ちを持っていた。「ロリータを魔性の女だととらえる意見も多くあるが、彼女は孤児であり行き場が…

24.ピンポン

昔好きだったアニメを久しぶりにみた 高校1年生のペコとスマイル。二人は弱小卓球部のエースと言われていた。特にペコに対みんなの期待が高く、それに比べるとスマイルは地味な印象だった。 しかし小泉、コン、風間と次第にスマイルを評価する人が現れてくる…

23.愛がなんだ

この前映画を観に行って面白かったので原作も買った。原作と映画はやや内容が違う部分もあったけど、映画の方が見せ方がよく面白いと思った。 マモちゃんは弱い人だなって思う。典型的な自己愛肥大型男。自分は何かできると思っててでも心の奥底では自信がな…

22.やすこちゃん

昨日は高校の後輩と先輩の結婚式だったので地元へ!とてもよかったししばらく会ってない人達に会えてとても嬉しかった(^ ^) 髪をセットするために地元で小さい頃から通ってる美容室に。そこにはやすこちゃんという妖怪が出るのです。 やすこちゃんというのは…

21.今日も一日君を見ていた 角田光代

これは小説家の角田光代が大ファンの西原理恵子から猫をもらって、初めて猫と暮らす話。 角田光代は猫を飼ったことがなく、飼う前はむしろ犬派で犬を飼いたいと思ってたそうだ。それが大ファンの西原理恵子に初めて会った時「産まれたら猫あげようか?」って…

20.嫉妬

村上春樹の「夢を見るために僕は毎朝目覚めるのです」というインタビュー集を読んでいる。そこで村上春樹が「スプートニクの恋人は嫉妬の感情がないからリアリティがないと多くのメールがきた」と話していて驚いた。その時初めてこの小説に嫉妬の感情がなく…

19.本について

自分が文字を読めるようになったのは3-4歳頃だった。その頃あたりに保育園の絵本や紙芝居が置いてある本棚を見上げて、「これを全部読んでやる」って思ったのを覚えている。 そして小学校に上がり、市立図書館の児童書をほとんど読みつくし、小6で小説を読み…

18.不忍池で考えた

昨日は大学の友達と飲み会をした。 上野は久しぶりだったので早く行って科学博物館を見ようと思った。大体予想はできていたが朝全く起きることができず、結局着いた時には科学博物館に行けるほどの時間は残ってなかった。 そこで不忍池に行って本を読みなが…

17.九星気学

この前九星気学の相性占いサイトを見かけた。 九星気学とは生年月日を使い、本命星、月命星、日命星を占うものである。方角の吉凶も占うことができるらしい。 日命星は7歳まで、月命星は8〜18歳まで、本命星はそれ以降の歳の運勢を占う時に用いられる。成人…

16.しくじり先生やまちゃん

さっきツイッターでなっちゃんがしくじり先生でえづいたって書いてあってやまちゃんの回見ちゃった。 私は世間一般に離婚の要因となること(不倫、暴力、ギャンブルなど)をしない人の中で父親が一番最低な人格の持ち主って思ってたんだけど、やまちゃん性格に…

15.恋しくて 村上春樹訳編

今週はなかなか大変だった。 人生で一番英文を読んだ月だった。高校の時も全然好きじゃなかったし、英語なんて最初見るのも嫌くらいだったけど、英語読まないといけない環境になると慣れてくるなと思う。 この機会にTOEIC勉強しようかなと思う。 さて、先月…

14.最近のイライラ

最近本当にイライラしやすい。いつもはイライラしないことでさえ、怒りそうになる。 何故だろうと思ってたけど、職場の人間関係に疲れてるのかなとか自分の中の疲労のせいかなと考えてた。違った。 2週間前号泣したせいだった。 彼氏に痩せてほしいと言われ…

13.今のことを考える

平成の終わりに地下鉄サリン事件で死刑を求刑されていた人の死刑が執行された。私はあの日大雨で会社に行けなくてのんびり家で過ごしていた。そこに速報で死刑執行のニュースが入ってきてすごく落ち込んでしまった。自分の中で大きなテーマとして考えてきた…

12.butter 柚木麻子

暇である。 台風で仕事に行けなくなってしまった。わずか3ヶ月くらいの間に関西は、地震、大雨、台風、台風で大打撃を受けている。 そのたびに会社に行けず、遅刻したり休んだりしなければいけない。しょうがないけど仕事が溜まってるので明日から残業しなけ…

11.昔作文を書くのが苦手だった話

タイトルの通りだけど昔作文を書くのがすごく下手だった。今も文章を書くのはうまくないけど、会社で文章を書かなければいけない仕事をしているので少しずつ書けるようになってきている気がする。 でもまだまだなので「理系の作文技術」という本を読んで勉強…

10.太陽の塔、森見登美彦

久しぶりの読書感想文。最近忙しくてあんまり読書ができてない。悲しみ。 ちょっと資格を取ろうと頑張っているのである。教員免許はほぼとれそうな感じになってる。後は添削してもらってるものが合格すればの話である。 さて、森見登美彦の太陽の塔である。 …

9.占いの話

4年くらい前、卒業旅行で母親と韓国に行った。韓国の友達が、その頃占いに劇ハマりしてて、絶対当たるって評判のお店に連れて行ってくれた。韓国語だったので友達に通訳してもらいながら。 その頃めっちゃ進路に悩んでたけど、教員になりたいと思ってたから…

8.過労で倒れた

過労で倒れた。 厳密に言うと朝起きたら全く起き上がれなくなっていたので、倒れたというか過労で動けなくなったの方が近いと思う。 どうして過労になったかは語るつもりはない。それは終わったことだし、改善したし、結果的に良い結末を迎えられた。だから…

7.万引き家族

昨日観に行ってきた!観ながらずっと昔の友達のことが思い出してた。 私には中1の時仲良かった子がいた。その子は母親が男つくって出て行ってしまったため、父親と二人暮らしをしていた。ところが冬になる頃に、父親が帰ってこなくなり、電気とガスを止めら…